こんにちは、きんどるどうでしょうです。きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してくださいというゲスト書評企画。今回はコミックゼノンで連載された酒と肴と孤独な夜に振り回される、漫画家たち25名の悲喜劇を描いた『マンガ酒』をアサノユウキ(asano_yuxuki)さんから頂きました。
本作についてはAmazonレビューや記事内でも触れられていますが『なぜか下戸が多い』という酒マンガとして斜め方向にすっとんだ仕様のようですね。
以前より、きんどうではお酒×Kindleという読書スタイルを提唱しておりますので「よぉーし、今夜は何か読みながら呑むぞぉ」という時に本書を思い出してもらいたいですね。//きんどうここまで
お酒+漫画家のコミックエッセイ『マンガ酒』
「お酒」を題材にした漫画に触れたことのある人は多いと思う。例えば「夏子の酒」なんかはテレビドラマ化もされた事もあり、読んだことのある人も多いと思う。
近年では「ワカコ酒」という漫画作品がアニメ化、ドラマ化したこともあり、酒という"オトナのモノ»を題材にした作品がアニメ、ドラマとメディアミックスな広がりを見せている。今回書評を書く『マンガ酒』はワカコ酒の著者、新久千映(@chiezoooou)さんなど漫画家25名による「お酒」をテーマにしたリレーマンガ企画。作品に登場する漫画家さんの「お酒」に纏わるエピソードが収録されている。
「漫画家+お酒」で綴られたお話はユーモラスで溢れたものばかり。紹介されているおつまみは思わず試してみたくなるものが多数あって参考になる。
ビール片手に野球観戦。クラブで飲むお酒。体験してみたくなったシチュエーションも良いものだった。お酒のお供として「マンガ酒」はいかがだろうか?
下戸が多い『お酒の漫画』
タイトルからして飲ん兵衛の漫画家さんを集めて、その呑みっぷりとかお酒に対する拘りを収録した本だと思いきや、登場人物は意外と下戸が多い。「ワカコ酒」のような呑兵衛を描いた作品とはアプローチの違う「お酒マンガ」となっている。
漫画家:鈴木小波
「お酒」を軸にした人間ドラマ
酒は人間関係の潤滑油。なんて言葉を聞いたことのある人は少なくはないと思う。腹を割った結果、本音や愚痴を紡ぐのはアルコールの為せる業であるのは否めないと感じる。
同じ釜の飯ならぬ「同じ席の酒」とでも言えようか。下戸、上戸、それぞれが何かしらの「お酒」に絡まるエピソードが綴られている作品なのだ。
漫画家:水瀬マユ
「飯テロ」と「酒テロ」
ネットスラングとしてすっかりお馴染みの言葉になった飯テロ。『マンガ酒』も例に漏れず美味しそうなおつまみや一品料理が巧みに描かれている。
漫画家:渡辺祥智
そして酒テロ。
様々なシチュエーションでお酒を飲む描写、酒好きには「あるある」と同意する場面がきっとあるはず。作品のお供に好きなお酒を用意したくなる描写には魅了される人も多いだろう。
漫画家:田丸鴇彦
お酒をテーマにした漫画ならば自然と酒飲みばかりが登場するものと思ってしまうだろう。しかしこの漫画は上述したように登場人物に下戸が多い。
『マンガ酒』は題材に沿って描いたようでありながら、それらに囚われない「自由さ」をも秘めた意欲作であると感じた。
題材や形式に囚われずに何かを「創る」というのは漫画、小説、イラストといった媒体を問わない難しさがある。
それでも一風変わった『マンガ酒』という漫画を生み出したのは著者の発想力や意欲さ、勿論その他の要因もあると思われるが、何といっても「お酒」への愛情が何よりの原動力であるのではないかとこの作品を読んだ私はそんな思いを感じた。
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ワカコ酒
村崎ワカコ26歳。酒飲みの舌を持って生まれたがゆえに今宵も居場所を求めてさすらう女ひとり酒。あなたの隣にいるかもしれない、おひとり様仕様の呑兵衛ショート♪
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— きんどう (@zoknd) July 3, 2017