こんにちは、きんどるどうでしょうです。Amazonプライムビデオにて8月25日に公開された新作アニメ『ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』のレビューをライター・みやもさんに頂きましたのでご案内。
本作に先駆けて8月1日TVシリーズ『ビルドファイターズ』『ビルドファイターズトライ』、そしてトライの後日談『アイランドウォーズ』。また、プライムビデオで今後も配信予定の新作『バトローグ』とビルドファイターズが熱いことになっています。
8月31日まではYoutubeで『GMの逆襲』本編映像が無料公開されているので、プライム会員でない方は是非そちらをチェックしてみてください。
また、こちらの記事では『同作のネタバレ』も多数含んでいるので未見の方で気にされる方はひとまず本編の視聴を済ませてください。内容を知ってから見る判断をする、もしくはネタバレを気にしない方向けへの紹介を目的とした記事となります。
ついに配信開始『ガンダムビルドファイターズ』OVA「GMの逆襲」、そのタイトルの意味とは!?
2013年秋から翌年春先までテレビ放映されたアニメ『ガンダムビルドファイターズ』。3年半近くの時を経て、ファン待望の後日談OVA『ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』がAmazonプライムビデオをはじめとするネット配信サイトで公開を迎えた。
はたしてどんな内容で、どんな機体がどんな活躍をみせるのか? 「GM」とは一体……?
ネタバレ全開でレビューするので、まずはぜひご視聴から!
ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲 2017
ヤジマスタジアムの竣工披露式典を翌日に控え、ニルス・ニールセンは自分が設計した最新鋭の大型バトルシステムを使ったエキシビション・バトルのためにイオリ・セイやメイジン・カワグチたちを招待していた。久しぶりの再会を果したセイはエキシビション用に改修したビルドストライクコスモスを披露しようとするが無いことに気付く……。その時、スタジアムのシステムが何者かに乗っ取られセイたちは閉じ込められる。そんな彼らの前に謎の集団が現れて、ガンプラバトルを挑んでくるのだった。
「ビルドファイターズ」ってどんな作品?
1970年代の『機動戦士ガンダム』を皮切りにした巨大メカ戦記もの「ガンダムシリーズ」は現在まで連綿と作品を重ねて一大市場を形成しているが、そこで重要な柱となるのが劇中に登場するロボットを模型化したプラモデル、通称「ガンプラ」である。
『ガンダムビルドファイターズ』は、一言でいうとガンダムアニメではなく「ガンプラのアニメ」だ。
組み立てたガンプラを特殊な粒子に満ちた空間へセットすることで自由に遠隔操縦できる対戦システムが開発された世界を舞台に、少年少女からいい年した大人までわけへだてなくガンプラの制作(ビルド)と戦い(ファイト)に情熱をかたむけるアツいSF競技アニメとなっている。
歴代ガンダムファンへのサービス的なネタが多いが、ストーリー展開は本作だけで独立しているので、予備知識についてはあまり気にしすぎなくていい。
しいていえば、ガンダム云々よりも、例えば古くは『プラレス3四郎』だとか『エンジェリックレイヤー』『ダンボール戦機』、最近なら『フレームアームズガール』のように「玩具メカを対戦させるジャンルってあるよね」と“ホビー系ロボットプロレス物”を楽しむ心のスイッチを入れておくほうが大事かもしれない。
【以下ネタバレあり】 ああ、「GM」ってそういう……の三段構え
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ここから本シリーズのネタバレを含みます
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模型店の息子でガンプラ作りが得意な少年、イオリ・セイ。異世界から渡ってきた王子様で戦闘センス抜群の少年、レイジ。
ふたりは互いを刺激しあうパートナーとなり、「ビルドストライクガンダム」(後に「スタービルドストライクガンダム」へ乗換)を駆って国内外の猛者と戦い続け、ついにガンプラ世界選手権を制した。そして、いつかもっと強くなったセイと2人でバトルしようと約束を交わしてレイジは異世界に帰還。
しばらくの月日が流れ……。
ある時、セイたちガンプラファイターが新しいバトルの聖地「ヤジマスタジアム」の竣工記念式典に招待されたところからOVAは幕開ける。そこでいきなりスタジアムの制御を奪われる事件発生、犯行集団が要求を突き付けてくる。
それは誰あろう、ガンプラマフィア! 試合の妨害から不正な売買までガンプラに関わる汚い仕事を何でも請け負って荒稼ぎするヤクザもんの一団だ。そうそう、いたなお前ら。テレビ本編第15話と16話でつかの間存在感を放ってフェードアウトした連中。
ああ、「ガンプラ」「マフィア」ね。「GM」ってそういう……(part1)
と、タイトルの意味を考える間にマフィアのボスはさくさく話を進めていく。
彼らは新スタジアムで世界大会級のファイターをたたきのめすと宣言。その映像を全世界に配信することで、裏だけでなく表社会のガンプラ界も支配する気なのだ。ふつうに犯罪だがそのへん気にしないのがマフィアたるゆえんだろう。
ガンプラを悪に染めて大事な大会をつぶそうとする輩は許せない。セイたちは受けて立ち、表と裏がぶつかるガンプラバトルがスタートする。
ニルスの忍パルスガンダムはあらゆるバリエーションのジム大群に囲まれてジム・オブ・ザ・デッド状態!
フェリーニのガンダムフェリーチェベルタはダイヤモンドコーティングの黄金バウンド・ドック相手にキラキラバトル!
マオは自信作のガンダムX十魔王でガンダムMk-IIIベースのSDガンダム武者に挑むも、敵パイロットのおねーさんがコックピット内できわどい水着姿になって巨乳をばいんばいん揺らす通信映像を送りつけてくるもんだから色香に惑わされて戦意喪失の危機!
『機動戦士Vガンダム』のネネカ隊メソッドがやっと機能したとVガンファン感涙!(?) ていうかこれ地上波ではやれんやつや!
三代目メイジン・カワグチはジオンのずんぐりむっくり水陸両用機タイプを一機に集約したアメイジングなズゴックで敵のジム素体ズゴックとズゴック対決!
そしてセイのスターバーニングガンダム*が対峙するのは……なんと気づかぬ間に盗み取られていたビルドストライクコスモス! セイが公式試合で愛用する機体をセイ自身にぶつけようというマフィアのきたない算段!
※お詫び当初、新作のスターバーニングガンダムをスタービルドストライクと案内しておりました。申し訳ありません。
と、ひと勝負ずつでも30分一本のアニメにできそうな面白かっこいいバトルが繰り広げられるが、そのなかで目立つのはマフィア側がジムを基本戦力として投入する様子。
ああ、ジムね。「GM」ってそういう……(part2)
戦いもいよいよ佳境が近づき、たどりついたのはラストステージ。ゴゴゴゴ、と地中深くから轟音を立てて立ち上がったのは、直線的なフォルムが印象的な全身朱色の超巨大なロボ。
あれっ、これって『伝説巨神イデオン』……じゃなかった、サイコガンダム……じゃなかった、デカいジムだ! サイコジムだ!
ジムとイデオンって似てるよね、というのは長らくの語り草である。
映画『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』(1982)では、ア・バオア・クー要塞の戦いのくだりでジムの頭部がほんの一瞬イデオンに描き替えられているショットがスタッフのお遊びで入っていたり。伝説巨神ならぬ伝説巨ジムってか。
また、1980年代後半から90年代前半にバンダイの漫画誌で長谷川裕一先生が「ガンダムVS伝説の巨神」こと「機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス」というガンダム×イデオンのクロスオーバー漫画を描いたことがあって……。
はっ!まさか「ギガンティスもどき」で「GM」ってそういう……!?(part3)
そんな高難易度なイメージを織り込んだラスボス戦は白熱し、ついに本編ファン歓喜の瞬間が訪れる。苦戦するセイに、あと一押しが必要なそのとき。傍らから、セイがつかむコントローラーに手を重ねてきたのは……そう、燃えるような赤い髪の少年、異世界の王子アリーア・フォン・レイジ・アスナ!
最高のタイミングで登場したレイジとセイが力を合わせた一撃による決着、そしてふたりの「約束」が実現するフィナーレの熱量は素晴らしく、この感慨深さはもう、実際に見ていただくしかない。
Amazonプライムで「BF」シリーズまるごとチェック!
今回の新作OVAは、テレビ本編で残されていた要素を回収した真のエピローグであると同時に、続編「トライ」へバトンを渡すつなぎの役目をも担っている。
本編未見のかたにはさいわいなことに、ちょうどAmazonプライムビデオで『ガンダムビルドファイターズ』『ガンダムビルドファイターズトライ』さらに「トライ」の後日談スペシャル『ガンダムビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズ』までそろって配信中なので、時系列順にまるごとたどることができる状態だ。
ついでにいうとビルドファイターズと世界設定は異なるものの事実上の原型にあたる『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』(2010、全3話)も通常レンタルだがAmazonビデオで見られるので、もういっそ全部通しでチェックしてしまうのも楽しいだろう。
もうひとつのガンダムBF外伝「バトローグ」はすごい「中の人」バトル
さて、Amazonプライムビデオでは今回のOVAに先んじて、同じく『ガンダムビルドファイターズ』に属する外伝短編アニメシリーズが配信されているのであわせて紹介しておきたい。
題して『ガンダムビルドファイターズ バトローグ』。
バトルシステムが改良され、歴代ガンダム作品のキャラクターの人格を再現したAIがガンプラを操縦してくれるオート戦闘モードが実装。それをメイジン・カワグチと盟友アラン・アダムスがテストするという筋だ。簡単にいえば「あのキャラとあのキャラが作品を越えて夢の競演! どっちが強いかな!?」というスパロボに近いロマンあふれる趣向である。
第1話のマッチメイクは、アメイジングザク後継機「バリスティックザク」に乗るCV:関俊彦のシャア・アズナブルと、リボーンズガンダムのカスタム「リバーシブルガンダム」に乗るCV:蒼月昇(古谷……げふんげふん)のリボンズ・アルマーク。
シャアVSアムロ声!
シャアはシャアで池田秀一氏ではないけど『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』における入れ替わり元の“本物のシャア”の声! しかも途中からリボンズがCV:古谷徹のアムロに選手交代して……ややこしい!
「なぜリボンズという男は貴様と同じ声をしていたのだ!」
「他人の空似だろう!」
中の人ネタやりたい放題な本作の脚本は「ビルドファイターズ」本編から続投の黒田洋介氏。さすがです。
ただし、けっしてネタに頼りきりではないのがいいところ。バリスティックザクのテクニカルかつ力強い動きと、変形で短・中・長距離すべてに対応するリバーシブルガンダムの高性能がしのぎを削るさまはバトルとして純粋に見ごたえ充分だ。
10分の短尺に遊び心と興奮がぎゅっと濃縮された外伝「バトローグ」、第2話は9月上旬に配信が予定されている。今度はどんな組み合わせを目にできるか、今から楽しみだ。
Amazonプライムビデオで見放題配信中『ビルドファイターズ』シリーズ
ガンダムビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズ 2016
ヤジマ商事の新型バトルシステムのテストパイロットとして、南の島のニールセンラボに招待されたチーム、トライファイターズ。しかし、新型システムの不具合により宿泊施設で待機する事に……。まるでリゾートの様な宿泊施設に盛り上がるセカイたちの前に現れたのは、同じくテストパイロットとして招待されたシア、ミナト、ギャン子の三人。南の島で再会したライバルたち、そんな彼らを謎の怪事件が待ち受けるのだった……。(C)創通・サンライズ・テレビ東京
おわりに
新作OVAや「バトローグ」を見て興奮をおさえきれないそこの貴方! さらにテレビシリーズを追っかけ中のみなさん! 好きなキャラ、お気に入りの機体、自分ならこのガンプラをこうカスタマイズする等々、語りどころはたくさんあると思います。ぜひTwitterハッシュタグ「#ビルドファイターズ見てる」にて感想を共有しましょう!
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この記事にはAmazonプライムビデオ『ビルドファイターズ』シリーズより、引用の範囲で複数のスクリーンショットを掲載しています。本画像の著作権者より通告を頂いた際はすみやかに画像を取り下げます。
⇒ 続きを読む「GMの逆襲」これぞエピローグって感じなので3年越しに最終回を最後まで見終えたような感慨がありますねえ。あとジム群でニルスくんを囲んだマフィアの「お前をジムまみれにしてやるぜ! 」が印象強すぎて●●まみれにしてやるぜ! が口癖に移りそうでこわいw#ビルドファイターズ見てる
— みやも(大阪府) (@miyamo_7) August 26, 2017