Amazonプライムビデオ番組を全話視聴しませんか?という連続企画今からプライムビデオのこれ見よう』。今回はシーズン2が10月放送、アマゾンが280億円相当もの予算をかけて贈る超弩級のクルマバラエティ『グランドツアー』シーズン1を"全話見た方向け"のレビュー記事です。
まだ『グランドツアー』を見たことがない方は序盤の見所をまとめた導入編、もしくは速攻プライムビデオでチェックしてみてください。
それではネタバレ編も導入編とおなじく、8月25日に新刊『グルメ漫画50年史 (星海社新書)』の発売を控えたむむ@mu_mu_さんから、独断と偏見で選んだオススメ企画トップ3を発表いただきます。個人的には第4話の『地球に優しい車を作ろう』の産業革命のくだりが最高でしたが、はいってないや。***きんどうここまで
みんなと『グランドツアー』を語り合いたいから独断と偏見で面白い企画ベスト3を選んでみた
ジェレミー・クラークソン、リチャード・ハモンド、ジェームズ・メイの愛すべき伝説の三人が、自動車をテーマに好き勝手やる番組『The Grand Tour』。導入編で最初の3話から見どころをピックアップしてみたが、はっきり言ってまだまだ紹介し足りない。
だが、1回1時間の番組で、13回もあるとなると、なかなか見るのに腰が重くなることも確か。さらには海外のバラエティ番組ということで、ちょっとノリについていけないと思ったり、そもそも自動車に興味がなくて見ていないという人もいるかもしれない。
そこで今回は、ネタバラシ編として独断と偏見で選んだ、初心者も楽しめるであろう企画を紹介しよう。あくまで初心者向けの企画ということで、自動車があまりよくわからないという人でも面白いと思えそうな部分をセレクトしている。
自動車が好きなら見て損はないので今すぐに見た方がいい。美しい景色と素晴らしいドライビングテクニックを堪能したり、歯に衣着せぬ批評を面白がれるなら、気がついたら全話視聴が終わっていることだろう。
第3位:11話『フランス紀行~中古のイタリア車の耐久性を探る~』
前番組『Top Gear』でもあった、激安の中古車を買って遊ぶシリーズ。今回はマセラティ製の中古車を3人がそれぞれ自腹で購入し、北フランスから南フランスへ旅に出る。
今回は、ただでさえ中古車な上に、ジェームズ・メイが腕を骨折している。最初から最後まで痛そうだった。
片手が効かないと、当然車の運転には支障が出る。そこでハンドルに操作を補助するためのノブを、ジェレミーとリチャードが取り付けるのだが、さすがにこれは画像ではお見せできないというか、モザイクが必要になってしまう代物だった。いくらネタバレ編とはいっても、載せられない画像はある。
ジェレミーの買った車はマセラティ・ビトゥルボ。細かいスペックはさておいて、なんか始動するときのエンジン音がおかしい。街中で走ろうとすると、何が起きているのかと思わず外に身を乗り出してまで見る人がいるほど。
当然エンジンの調子がいいわけではなく、エンストするわ、エンジンからは火が出るわ、ブレーキが利かなくなるわ、大変なことに。
結局最後に「誰が一番早くイギリスへ戻るか競争」をした際には、完全に止まってしまったので牽引車で運ぶという戦法に出た。
リチャードやジェームズも無事ではない。特にジェームズ。詳しいことは省くが、最後に死んでしまう(?)。
自腹で買った自動車だからってやっていいことと悪いことがあるんじゃ……というのが通用しない。それが、『The Grand Tour』の魅力だ。
第2位:5話『モロッコでスポーツカー対決!?』の潜水艦ゲーム
安い車を使って悪ふざけをするといえば、5話の潜水艦ゲームは必見。ジェームズ・メイがはまっていた潜水艦ゲームを自動車でやってしまおうという企画だ。
Everyone try this arrangement, then report back to Cap'n May on the bridge of HMS Thunderfinger. pic.twitter.com/gkxiVICZyj
— James May (@MrJamesMay) November 8, 2014
ルールは簡単。
碁盤状に線が引かれたところに、お互いに同じ大きさの戦艦や潜水艦(今回は自動車)をいくつか配置する。どこに配置したのかは相手には見えない。
プレイヤーは手番が来たら、座標を指定して攻撃。見事に戦艦や潜水艦(自動車)に命中したら、破壊したことになる。互いに手番を行い、相手の戦艦や潜水艦(自動車)を全て破壊した方が勝ちだ。
今回のポイントは、ミサイルにも車を使うこと。クレーンでつり下げた車を指定の位置まで移動させ、落下させる。当然、命中したら両方共壊れて爆炎が上がる。
外れたらミサイル(?)のみが爆発。
もう、悪ふざけとしか言いようがない。落下する車。爆発する車。当たって喜ぶリチャードとジェームズ。外れて悔しがるリチャードとジェームズ。
自宅でやるときはBBQの日にすること。煙が上がっていても誰も不審に思われないからね。じゃないだろう!
第1位:7話&8話『グランド・ツアー スペシャル ナミブ砂漠の旅』
1位は何にするかさんざん悩んだ。初心者向けだし、できるならなるべく短いコーナーの方がいいかもしれない。でも、あえてここでシーズン1で一番長い、7話と8話を使ったナミブ砂漠の旅を推したい。
今回3人はそれぞれビートルを購入し、自分好みのビーチバギーに改造する。そして、アフリカ南西部のナミビアの海岸からスタートし、千数百キロを走り、北端にあるアンゴラ共和国との境界にある砂浜を目指す。
海岸線は寒いから内陸へ行こう!
→ 夜は真っ暗で目印が何もないから星を頼りに進もう
→ 一晩中走ってスタート地点でした
じゃあ今度は海岸線だ!
→ 壮大な砂丘が見えるし、美しく楽しいドライブだ!
→ 満ち潮で逃げ場が無い! 水没する! 引き返さなきゃ!
→ スタート地点へ
まったくもって、一筋縄ではいかない。おまけに夜の砂漠で寝袋も何もないため、エンジンの下で寝て暖をとるなど、本当に大丈夫なのというトラブル続きだ。なんとか街にたどり着いたとき、3人が最初に行ったのは「買い物」。最低でもキャンプ用品や地図を買わない限り、この先がどうにもならないと判断する。
キャンプ好きで、いかに軽く、持ち運びやすい用品を選ぼうとするリチャードに対し、ジェレミーとジェームズは「テント生活は少しの工夫と経済力で快適にできるはずだ」と宣言。
その結果。なにやら3人の車の後ろにあやしげな車が。
巨大なテントにグラスに贅沢な食事。でかいベッドに執事までを搭載し、快適なテント生活を送る。快適すぎだろう!
最後には、川をどうにか越えるために、即席のケーブルカーを作り、宙づりになったまま進んでいく。
2話分まるごと、こんな感じにトラブル、金で解決、悪ふざけ、故障、寄り道、レース、絶景を楽しめる。まさに『The Grand Tour』といえるのが、7話と8話だ。
マイベスト3エピソードを教えて!
今回のエピソード3つは、個人的に『The Grand Tour』初心者にオススメしたいところを選んだので、人によっては「いやいやこっちの方がいいだろう」という、マイベスト3があるでしょう。
そこで、自分ならこのエピソードを推すというのを是非Twitterのハッシュタグ「#グランドツアー見てる」をつけて投稿して欲しいのです。
あのセレブリティブレインクラッシュが〜とか、コーナー名でもかまいません。13話のクラッシュは最高でしたね。もちろん、車の批評でもいいです。ロードスターを「この車はスマホだ」と言い切ったり。今回の記事を見て改めて全話見た結果、初心者向けでは無いかも知れないけれどもこのエピソードが好きだという意見でも大丈夫。みんなで見て、10月のシーズン2に備えましょう!
この記事にはAmazonプライムビデオ『グランドツアー』より複数のスクリーンショットを掲載しています。本画像の著作権者より通告を頂いた際はすみやかに画像を取り下げます。
ジェレミー・クラークソン、リチャード・ハモンド、ジェームズ・メイのトリオが「グランド・ツアー」で復活。番組のテーマは、冒険、刺激、そして友情…?(友というのは、非常にうっとうしい存在でもあると考えるならの話ですが。)自動車をテーマにしたトークを交えつつ、彼らと一緒に世界を股にかける冒険の旅に出かけよう。
ライター紹介:杉村 啓
醤油研究家、料理漫画研究家、お酒研究家などのさまざまな肩書きを持つライター。醤油とお酒(日本酒が一番多いかも)と料理漫画についてはおまかせください。著書に『醬油手帖』(河出書房新社)、『白熱日本酒教室』『白熱洋酒教室』『白熱ビール教室』(共に星海社)など多数。近著として、8月に『グルメ漫画史50年』(星海社)が出る……予定……
8月25日新刊発売予定です(Kindle化未定)
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