こんにちは、きんどるどうでしょうです。Amazonプライムビデオ独占配信「The Grand Tour」のレビューをきんどうユーザーさんからいただきましたのでご紹介。
「The Grand Tour」については導入編で序盤の見どころを案内していますが、シーズン2の特別編公開にあわせて前進ともいえる『TopGear』もシーズン2からシーズン22までがプライムビデオに追加されましたね。
日本のテレビ番組ではありえないほど予算を潤沢につかった話題作。クルマ好きもそうでない方も是非1・4・9・11話は笑えますので試しに見て欲しいな。
自動車番組に対するイメージを完膚なきまでに壊した「The Grand Tour」
『自動車番組』と言われたら、専門的な蘊蓄ばかりのマニア向けというイメージがあると思う。若しくは新車の購入を検討している人が『このクルマはどういったところが売りなのか』『走りの性能だったり燃費はどのくらいなのか』という視線で観るものだと私は個人的にそう思っている。
「The Grand Tour」はそんな番組ではない。一言で表すならば『世界中の自動車番組に対するイメージを完膚なきまでに壊した番組』と少なくとも私はそう言い切れる。
The Grand Tourが世界中の自動車好きから注目を浴びるようになったのは何故?
ここまで読んでくれた貴方/貴女はもしかしたらそういう思いを抱いたかもしれない。
《自動車マニアが好むような構成だから》
《とにかく破天荒で分かりやすい過激さがウケていうから》
そういった要素が「面白さ」に一役買っているのは紛れもない事実だ。このように挙げた理由もあるけれど、一番の要因はイギリスBBCで放映されている「Top Gear」という自動車番組があってこそだろう。
「Top Gear」という番組に漂う雰囲気のファクターが「The Grand Tour」に持ち込まれて受け継がれている。まるでイギリスBBCからAmazon.comに移籍した司会者陣のように。
というのもThe Grand Tourの司会者である「ジェレミー・クラークソン」「リチャード・ハモンド」「ジェームズ・メイ」の3人はTopGearの司会陣と全く同じなのだ。詳細は省くが、ジェレミー達は「ある理由」で長年に亘り司会を務めたTopGearから離れる事になる。
さらにはイギリスBBCから契約を解除されてしまう。
司会不在となったTopGearは「"新生"TopGear」として生まれ変わろうと舵を切る。イギリスで人気の高いプレゼンター、クリス・エヴァンスという人物を起用するも視聴者からの評判が芳しくなくこちらも早々に降板。Top Gearはどうにか続いているが、現在のTop Gearは司会交代やメンバーの入れ替わりなど、ジェレミー達3人が離れた影響は番組にとって計り知れないものになっているようだ。
The Grand Tourの話に戻そう。
ざっくり言うと「イギリスBBCを離れたジェレミー達がAmazonに移籍して、Top Gearでやっていたようなハチャメチャな企画満載の自動車番組」としか言いようがない。
「グランド・ツアー」という名前の通り、世界各地でロケを行い、破天荒としか言い様のない事ばかりするのだ。
特殊部隊に混じって行うロケ。
自らチョイスしたクルマで砂漠を横断……。
「"地球に"優しいクルマ」を自作してのカーレース。
そんなThe Grand Tourは当然ながら制作費が湯水の如く使われている。
JPモルガンが調査したところ、AmazonはThe Grand Tourシリーズの制作費として日本円で280億円を注ぎ込んだという。The Grand TourシリーズはAmazonだからこそ制作出来る自動車番組なのだ。
番組の詳細を書いてしまうと楽しみを奪ってしまうから詳しくは記述しない。勿論、自動車番組であることから真面目なレビューもある。時には視聴者からの辛辣なレビューもあるけれど、それは「自動車」への深い愛情が為せるものであり、視聴者が不快に思うことは滅多にない。
自動車と、それに伴う文化を愛しているからこそ支持される番組なのだ。
かつて17〜18世紀にかけて、イギリスの裕福な子ども達が国外へ旅立ち、知識や見聞を広げてた旅行の事を「グランド・ツアー」と呼ぶようだ。
21世紀に生きる私たち視聴者が自動車やそれらを取り巻く文化を面白おかしく、時には真面目に楽しく「自動車」というモノの知識を広げていく。「The Grand Tour」はまさしく現代のグランド・ツアーなのだ。
自動車は詳しくないから……。と敬遠せず、まずはシーズン1のエピソード1をお試し感覚で良いから観てほしい。バラエティと真面目さが織りなすバランスの面白さに気づいて貰えたら私はとても嬉しい。