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Channel: きんどう
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【書評】孤独な女子高生が世界で最も優れたバイクと紡ぐ、日常と友情。「スーパーカブ」

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」の4冊目。

『カクヨム』発、角川スニーカー文庫の青春小説「スーパーカブ」。いやぁ、ラノベといえばファンタジーがほんと増えていってますがスニーカー文庫はこういうものを打ちだしてくれるので、嬉しいですね。わたしもずっとバイクを趣味にしてるので本作、とても注目してました。

燃費も最強で安価、そして頑丈。全世界累計販売数が1億台も間近という名車とひとりぼっちの女の子が紡ぐ、日常と友情の物語をお楽しみください。


人生ハードモード女子高生が、世界で最も優れたバイクに出会った

こんにちは、きんどるどうでしょう依存のへいへーい( @mnsttr)です。Kindleで電子書籍を買いあさっているにもかかわらず、読んだ後に何か形に残せないかなと思っていたところ、この企画が始まったので応募させていただきました。

初めてですが、すこしでもこの本の素晴らしさを皆さんにお伝えできればと思います。

人生ハードモードの女子高生 小熊ちゃん!

主人公の女子高生「小熊(こぐま)」はいきなり人生ハードモード、父親は亡くなり、母親は蒸発! 頼れるじいちゃん、ばあちゃんもいない! 友達もいない! 人と話すのも苦手でコミュ力がない!の、ないないづくしのヒロインです。

ここで大事なのは“普通”の生活をしている女子高生ではない点です。あくまで奨学金でギリギリの生活をして、頼れる人もいなく、友達もいない、根暗な女子高生が主人公であるところに、この本の面白さの“キモ”がありました

親族が誰もいないので、奨学金を借りながら高校に通っている小熊ちゃん。携帯も通話しかできないもので、家には机とベッドとラジオしかない慎ましい生活を送る中、ひょんなことから一台のカブを購入します。

さぁ、このカブを買ったことにより、小熊ちゃんの世界がバァバァー!っと広がっていきます!

「なにもない女子高生×スーパーカブ」の組み合わせで作り上げられる世界観

なにもない女子高生×スーパーカブという組み合わせにより、初めて道路を走ったり、少し遠いスーパーに買い物に行くことで、冒険感がすごい出てくるんです!!

これは、バイクを乗った経験がある人は、初めて買った(乗った)あの日を思い出し、主人公の小熊ちゃんに自分を重ね、ニヤニヤしちゃうこと間違いなし! 私も大学生の時に原付を買って乗っていましたが、あの時のワクワク感が鮮明によみがえってきましてニヤニヤしっぱなしでした!

物語が進むにつれて、バイクを乗るようになります(当たり前ですがw)そうすると、様々な問題が出てきます、スピードを上げると風が顔にあたってあげれなかったり、雨に降られてビッショビショになったり。

そこで、小熊ちゃんは安全かつ快適に乗るためにはどうしたら良いかを考え、少ないお金をやりくりしてアイテムを買ったり、バイクのパーツをもらったりします。

なにもなかった小熊ちゃんの部屋にはバイクに乗るための道具が増え、さらに、駐車場は自分をどこにでも連れて行ってくれる、小熊仕様のバイクがある!

主人公が徐々にレベルアップして、相棒がだんだんとたくましくなるこの感じはまさしく、RPGを進めているかのような感覚!なんだか読んでいるこちらも成長した気分になれます!

小熊ちゃんが経験する成功体験や何かを得る過程は特別なものではなく、皆さんが思い描ける範囲の身近なコトやモノばっかりで、この辺の想像しやすい設定がすんなりと物語に入れて、グイグイ読み進めることができる要因なんだなと感じました!

青春とは無縁な小熊ちゃんが、いつの間にか青春ど真ん中に!

スーパーカブに乗ることで、初めて礼子という友達ができる小熊ちゃん。礼子もスーパーカブに乗って登校しており、それが接点で一緒に昼食を食べる仲に。

礼子は小熊ちゃんと違い、美人でスタイルも良く、頭も良くて運動神経抜群という、天が二物どころか四物ぐらい与えちゃっているお友達ができます。彼女はスーパーカブを愛しており、自らバイクを改造したりする、自分の軸があるガールです

当初は、小熊ちゃんは礼子に対してなかなか心をひらけずにいるのですが、物語が進むにつれて礼子との距離が縮まり、なるべく人とかかわらないように過ごしていた小熊ちゃんの心にも変化が・・・

この礼子ちゃんもまた様々なストーリーがあり、この物語になくてはならない存在になってきます。なぜ、軸があるかは物語の後半で明らかになるのですが・・・!礼子の隠された過去が・・・!?

みたいな展開もありますし、物語が後半になればなるほど友情を絡めた青春ど真ん中になっていきます!

特にオススメのストーリーが終盤の修学旅行編なのですが、小熊ちゃんも例外なく楽しみにしていた修学旅行がいきなりのハプニングからスタートし、道中ちょっとした恋愛?要素も入りながら物語は展開していきます。

読み進めていく中で、当初の小熊ちゃんでは考えられなかった成長をしている描写や、礼子との友情にも感動しっぱなしで、待望の実写映画化まったなしです!そして、周りにドヤ顔でうんちくを語りたくなりました!

誰にでもお勧めできる冒険と青春のスーパーカブ物語!

小熊ちゃんが、スーパーカブと出会うことで少しずつ“夢中になれるモノ”がでてくる描写、初めてバイクに乗ることで様々なハプニングや出会いを経験し、それをとおして徐々に成長していく過程が上手に描かれており、バイクを乗ったことがある人でなくても、楽しめる作品になっています。

あと、読むときはぜひkindle版で! もうちょっとだけ続くんじゃ的なおまけがkindle版にはついていてお得です

以上、へいへーいでした!

AmazonKindle電子書籍で『スーパーカブ』

スーパーカブ【電子特別版】(角川スニーカー文庫)

トネ・コーケン (著), 博 (著)
価格:583円

山梨の高校に通う女の子、小熊。両親も友達も趣味もない、何もない日々を送る彼女は、中古のスーパーカブを手に入れる。初めてのバイク通学。ガス欠。寄り道。それだけのことでちょっと冒険をした気分。仄かな変化に満足する小熊だが、同級生の礼子に話しかけられて―(……)世界で最も優れたバイクが紡ぐ、日常と友情。【書き下ろしショートストーリー「セカンドマシン」を収録した、電子特別版】

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