こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」の3冊目。
『毎日かあさん』や『ダーリンは』シリーズなどの著書を持つ漫画家・西原理恵子さんがしくじり先生としての学びを娘に語った『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』のレビューをいただきました。
"人生という航路に絶対安全はないからこそ、今、伝えておきたい。母から娘へ―厳しくもハートフルな生き方指南" と、女子向けなイメージをもっていましたが、さすがサイバラ先生。そのタフな生き様は男女問わず学びがあるようです。
「才能のあるなし」よりも、生きていく上で大事なこと
こんにちは。水野(@ounziw)です。漫画家・西原理恵子さんの「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」を読んでみました。この本は、西原さんが自分の体験を通して、女の子へ、どう生きていくかを伝える本です。
私は男で、子供もいないので、想定読者から外れるかもしれません。著者と自分の共通点を探したところ、起業している、という共通点を見つけたので、「自分の力を仕事にして生きていくには?」という観点から、興味深いエピソードを1つ、掘り下げてみました。
美大の予備校で最下位
著者の西原さんが、美大に進学するための予備校に入った話がありました。予備校で、課題のデッサンが成績順に貼り出されました。なんと最下位だったそうです。
もちろん、美大に進学しよう、と考えるくらいなので、著者はおそらく子供の頃から絵が好きだったと思われます。学校のクラスでは絵が一番上手い、とかだったのではないでしょうか。そして、絵を描くことを仕事にしようと考え、上京して予備校に通い始めた。けれども最下位だった。相当ショックだっただろう、と思います。
しかし、そこで挫けず、自分が進む道を見つけます。とはいっても、「がむしゃらに努力して、もっと絵が上手くなる」ではありません。書籍には、最下位を取ったからといって、もっと絵が上手くなるために必死に努力したのか、というと、そのような記述はありませんでした。もちろん、実際は必死に努力されたのだと思います。しかし、がむしゃらに努力するよりも、もっと大事なことがあると、著者は主張しています。
最下位であっても食べていける方法を考える
努力するよりも、もっと大事なこと、それは、最下位であっても食べていける方法を考えるです。
『「自分には才能がある」と思っている人たちが、絶対に行かないところにこそ、自分の座れる椅子があるんじゃないか。』と著者は書いていました。この一文が印象的でした。自分の力で生きていくためにとても大事な考え方だと思われます。
「絵の上手さ」という観点で順位付けすれば、著者は予備校の他の学生に負けていました。しかし、「絵の上手さ」だけが評価基準ではありません。「絵の上手さ」で最下位だったとしても、それはあくまで「絵の上手さ」で負けているだけです。「絵の上手さ」以外の、なにか別の観点で勝負すれば、勝てる場所もきっとあるでしょう。
もし、他の学生が勝負に来ない場所であればどうでしょうか。戦わずして一位になれますね。最下位の場所でもがくよりも、戦わずして勝てる場所を見つけることが大事だ、ということですね。陸上競技選手だった為末大さんが書いた「諦める力」という本にも、自分が勝ちやすいフィールドを探すという記載がありました。
西原さんは、「絵の上手さ」で負けていても仕事になる場所を探して必死に生きぬいてきました。この本には、このエピソードの他にも、西原さんの体験が多く語られています。
本のタイトルが「女の子が...」となっているように、女の子が自立していく上で非常に役立つ本となっていますが、女の子に限りません。男の子でも、大人でも、西原さんの姿勢から、どのように生きていくべきか、学ぶことができます。興味を持った方は、読んでみてはいかがでしょうか。
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— きんどう (@zoknd) June 15, 2017