こんにちは、ケス・ノングです。一応ここではリアル書店員としての担当から「文芸書」をメインに紹介するというのが僕の役割なのですが、はっきり言って「面白ければ何でもあり」というのが僕の人生のスタンスです。
人生とは大げさなものを出してしまいましたが、要するに今回文芸書じゃないものを紹介したくなったというただそれだけのことなのです(笑)。それが何かと問うならば、ずばり「少女マンガ」ですことなのよ!
現在40代半ばのおっさんまっしぐらな僕ですが、恥ずかしながら高校時代は少女マンガにハマってました。当時、意識高い系の男子はかっこつけて「ジャンプなんてつまらんわー、少女マンガのほうがはるかにレベルたけーよ」とか思っていたわけですね。あーはずかし。
今回白泉社のマンガの50%ポイント還元セールが始まり、「ほうほう」と見ていたらうわあーー、あの頃好きだったものがたっくさんあるではありませんか。というわけで番外編「おっさんが読んでも面白い! 懐かしの少女マンガ特集!」です。当時を懐かしむだけではなく、知らない人が今読んでも絶対面白い、というものを選びました。
おっさんが読んでも面白い!懐かしの少女マンガ特集
ぼくの地球を守って 全12巻
亜梨子(ありす)は植物と交信する能力を持つ高校生。ある日、隣家のイタズラ小学生・輪(りん)を誤ってマンションのベランダから転落させてしまう。奇跡的に回復した輪は、もう一人の自分に覚醒していた…。一方、亜梨子は前世の夢を共有する同級生に出会い…!?
SFが好きな方はこれで決まりです。何気ない日常が、ふいに非日常へと逸脱するオープニングが秀逸です。「前世」「転生」の一大ブームを巻き起こし、このマンガの影響でオカルト雑誌の文通欄には前世の仲間を探し求める手紙が大量に投稿され、果ては前世の真実を求めての自殺騒ぎまで起きました(物語途中で作者が「これはフィクションです」と緊急宣言してしまうくらい)。
綿密な伏線とその回収はミステリ好きにも訴えるものがあると思います。損はさせませんぜ、まとめ買いいっちゃいましょう。3810ポイントも戻ってきます。そのポイントで次に紹介する本を買いましょう(笑)。
エイリアン通り(ストリート) 全4巻
容姿端麗、頭脳明晰、学園のヒーロー・シャールのまわりは、謎と危険の香りでいっぱい! スリリングでハートフルなアメリカン・ストーリー!!
アメリカを舞台にしたポップなコメディで、かつシリアスなドラマでもあります。主人公は大学の名物美青年で大金持ちのシャール・イダニス・モルラロール(いま調べもせずにこの名前がすっと出てきて自分でもびっくりしました)。
80年代って無性にアメリカにあこがれましたよね。そんな青臭い少年の心を鷲づかみにしてくれました。「フランス人にHの発音は無理なんだ!」とか意味なく友達に豆知識として披露したものです。レギュラーの日本人キャラ、翼ちゃんがかわいかったなあ。もちろん今初めて読む人でも面白いですよ!
甲子園の空に笑え!
女監督率いる弱小野球部が甲子園へ。気のいい弱小野球部の新感覚スポーツドラマの表題作ほか、『ゲートボール殺人事件』を含む2編を収録。
美貌の果実
“大切にしたいね、ボクらの第一次産業”をキャッチフレーズに川原教授が提唱する、愛と家畜と作物の感動三部作ほか、傑作短編3編を収録。
さあ、川原泉です。たぶん今回紹介する中では、一番大人がはまると思います。過剰に哲学的かつ説明的なセリフと、ふにゃふにゃのほほんタッチのギャップは、一度読むと抜けられません。
「甲子園の空に笑え!」のKindle版は、文庫版が底本です。花とゆめコミックス版では別の本に収録されていた「銀のロマンティック…わはは」が併録されています。これ、ほんまにお得! この二つが一緒に読めるなんて! どちらも名作です。
さらに名作なのが「美貌の果実」。川原泉作品の人気投票が行われた時にはこれが一位になったそうです。さもあらんさもあらん。
「とてもやさしい人が少し幸せになる」これが川原泉作品の真骨頂です。泣けますよ、「美貌の果実」。もぎゅもぎゅと何かを食べながら読むとよし。
ラシャーヌ! 全4巻
インドに住む美少年・ラシャーヌ。破壊的行動力と見事な推理力を武器に数々の怪事件を解決! だけどその裏には、いつも一途な恋心が…!?
魔夜峰央といえば「パタリロ!」ですよね。ここでも紹介したかったのですが、いかんせん長すぎて途中から正直面白くなくなってくるのです。「ここまでは面白いよ」と言おうと思っていたのですが、Kindle版は文庫版が元になっていて、これはテーマ別の収録で、連載時の順序じゃないんですよね。うーんと思っていたら、ああ、「ラシャーヌ!」だ。これがあるじゃないかと思いました。ある意味「パタリロ」より好きです。
実はこの「ラシャーヌ!」のほうが連載開始は「パタリロ!」より古いんですよね。というか、たしか魔夜先生初のギャグマンガだったのではないかと記憶します。初期のおどろおどろした感じもいいのですが、途中から絵柄がシンプルになってきてからのギャグのテンポと冴えが素晴らしく、絶妙のギャグセンスに何度読んでも爆笑できます。
おわりに
いかがでしたか? まだまだおススメしたいものはあるし、そもそもなんで「ガラスの仮面」がKindleストアにないんだ!とか文句もありますが、書いてると無性にこれらを読み返したくなったので(笑)、とりあえずこんなところにしておきます。
このセールは2月9日までのようです。買い逃がしのないよう、楽しんでください!
キャンペーンは2月9日まで!
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この記事を書いた人:ケス・ノング
某チェーン書店で文芸書・文庫を担当。自分は人に薦めるくせに、人に薦められると読みたくなくなる天邪鬼。昔は年間300冊は読んでいたが、年々集中力が衰え今は年間80冊くらい。
Amazonプライムのおかげで映画やドラマも見てしまうので全然時間が足りなくて一週間が四週間くらいあればいいのに、とかバカなことばかり考えているからよけい本が読めないという悪循環に陥りがちな中年真っ盛りです。
この企画について:匿名書店員さんによるキュレーションをやろう
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