こんにちは、きんどるどうでしょうです。11月30日まで毎週更新のニコニコカドカワ祭りにあわせてご縁のあるライターさんにオススメ作品をいただく企画。第6週もライターのたまごまごさんから紹介いただきます。
とはいえ、今週は公式ニコニコカドカワ祭りにこだわらず他ストア対抗も含めて”現時点”で半額セールを実施中の作品から『「剣姫、咲く」』『また、片想う。』『ゴブリンはもう十分に強い』の3作をご紹介いただきました。
Kindle公式のニコニコカドカワ祭りは11月30日まで毎週更新なのであわせて是非。
ニコカド祭り2017 第6週のオススメ!
ニコカド祭り2017第6週目です。今回はKindle公式のカドカワセールじゃないけど半額な作品からオススメ。どうも油断できなくなってきました。
剣道大好きサイコパス少女「剣姫、咲く」
剣姫、咲く(1) (角川コミックス・エース)
「私の 敵 になってくれない――?」高校一年生・草薙諸葉は入部したての剣道部で、圧倒的な剣道の実力を持つ少女・戸狩姫咲に出逢う。二人の正反対の少女は、剣道を以て、惹かれあう――。本格剣道青春譚!
ヒロインの一人・戸狩姫咲(とがり・きさき)がだいぶヤバイ。正直サイコパス。
姫咲は剣道がとても好きな女の子。全中大会であっさり優勝するくらいの腕前の持ち主。問題は強すぎるがゆえに、他人の剣道をけちょんけちょんにけなし、ボコボコにした上に、剣道をやる必要がないとまで言い捨ててしまうこと。
「質の低い練習、手入れのなっていない防具、剣道愛が足りないよ。愛の無い人は弱い人だし、いらない。私が欲しいのは愛のある人……強い人」「ここにはいなかったけど、全国に行けば見つかると思うの」「だから剣道部ちょうだい」
前半はわかんでもないが、その結論はおかしい。
剣道が好きと言う割に礼儀がなっていない(対戦相手をばかにすると、現実の試合では負けになります)にもほどがある子。彼女の厄介なところは、見下してるとかの意識が全くなく、言葉通り純粋に自分の強い天敵がほしいとしか考えていない。雑魚のこだわりなんて邪魔だから、完膚なきまでに砕いてしまう。
めちゃくちゃな姫咲に、小さくて努力家な諸葉(もろは)が食って掛かる。彼女自体はまだ強くはないけれども、姫咲のいう剣道愛の権化みたいな子。姫咲は彼女をすっかり気に入って、強くするための餌(つまり諸葉が倒す他人)を探して回ることに。ひどい話だ。
横暴な姫咲と、まっすぐで頑固な諸葉の響き合いで、もりもり少女たちが強くなる作品。どえらい変化球のスタートが、2巻で直球剣道マンガになっていく様子は必見。あるいはみんな一線を越えたってことかしら。
あと剣道の時はぱんつはかないんだって、やったね!(実際にはほとんどの人が履いてます)
取り返しのつかないことってあるんだよ「また、片想う。」
また、片想う。(1) (角川コミックス・エース)
幼稚園からの幼馴染み・野方司と中学校時代からのツレになった金井元明と3人でいつも行動している少女・清瀬詩帆。毎日、ギャグっぽく、また日課のように告白してくる司を鬱陶しく思っている詩帆だったが、同じ部活動でもある3人での学生生活を楽しんでいた。ただ彼女は、今の3人での関係を心地よく思っていて、その関係性が崩れることを心のどこかで恐れていた。
思いは、伝えようと感じた時すぐに言わないと、取り返しがつかなくなってしまう。清瀬詩帆(きよせ・しほ)の幼馴染・野方は、日常的に「好きだ」と言ってくる。だからまともに受け止めようがない。もう一人の友人・元明と三人でドタバタする日々が続いていた。
野方は本当に詩帆のことが好きだった。なのに、詩帆は答えられないまま。そして、彼女は答えるタイミングを失ってしまった……。できればネタバレを踏まないで読んでほしい作品。
寝取られっぽい展開があるので、そこは苦手な人は注意。いや実際には全然違うんだけど! とある事情で……! 出て来る登場人物はみんないい子ばっかりだし、誠実。なのに取り返しのつかないことってやっぱりあるわけで。
純恋愛物語なんだけれども、ものすごく厄介で、どうころんでも幸せになれない人が出そうで胃が痛い。二巻はさらに輪をかけて人間関係がこじれていくので、読むのをやめられなくなります。
さてとても大事なことをひとつ。作者タチバナロクの描くヒロインはものすごくムチムチしている。エロいシーンはないのですが、特に下半身の肉付きが素晴らしくて、大変興奮します。もし気に入った方がいたら、現在並行して連載中の『可愛い上司を困らせたい』もオススメします。こちらは安心のラブコメディ。
育ちすぎたゴブリンは人間を何度も殺す「ゴブリンはもう十分に強い」
ゴブリンはもう十分に強い(1) (電撃コミックスNEXT)
剣と魔法と魔王と勇者(多数)にその他な世界――、やたらと強いLv99(カンスト)ゴブリンのホンワサビと召喚勇者のアキ、魔法使いのグラニテ、悪魔属のミミットたちが入り乱れる愉快でちょっぴり残酷なファンタジーコメディ、はじまりはじまり♪
ゴブリンといえば初期モンスターの筆頭。正直狩ってもうまみがない。逆に考えてみよう。ゴブリンが勇者たちを倒せたら、その分経験値がゴブリンに入る。だったらゴブリンだってレベルカンストするのでは?
かくしてゴブリンのホンワサビは、LV99に。冒険者どころか魔王とも互角な強さになったのでした。
強すぎて敵なしのゴブリンと、駆け出し女子中学生勇者のアキなど個性的な面々による、ドタバタコメディ。この世界ファンタジーなので、死んでも復活ポイントで生き返る。ホンワサビいわく「人間10回や100回死ぬけどなー」
一応敵なので、アキや他の冒険者たちを一撃殺しまくり。「逆ワンパンマン」と言ったおもむき。
どうあがいてもホンワサビに勝てないのが面白い作品なのだけれども、冷静に考えるとこの世界は残酷。アキたちはあっさり復活するのでいいけれど、ホンワサビはいくら強くてもただの魔物。死んだ後時間がたつと消滅し、それまで。
ホンワサビとアキは、友人であり敵として一緒に過ごしているけれども、アキがホンワサビを殺してしまう日が来てもおかしくない。願わくば、魔物にも幸せあらんことを。
今ホットなゴブリンものといえば『ゴブリンスレイヤー』。ゴブリンの真の怖さは、弱いと思って油断すると群れなして人を蹂躙すること。多くの冒険者がドラゴンなどの敵に挑む中、世界の平和より村の命を守るため、ゴブリンだけを狩り続ける男を描いた、ダークファンタジー。残忍な冒険が見たい人は是非。
ライター紹介:たまごまご
tamagomago
http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/
ライター。エキレビ、このマンガがすごい!web、ねとらぼなどで執筆中。著書に「仕事のマナー「気がきかない」なんて言われるのは大問題ですっ! 」など。女の子が殴り合うマンガをこよなく愛しています。デレマスは大槻唯P。ミリオンはロコP。
⇒ 続きを読むきんどう書きました。 『バイプレイヤーズ』名脇役6人 おじさんたちのテラスハウスは、とってもキュートでちょっぴりビター https://t.co/okq1MYyjOA @zokndさんから バイプレイヤーズ配信少なかったんだけど、プライムに来たよ!山田孝之も!
— たまごまご・オブ・ザ・デッド (@tamagomago) September 28, 2017