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ニコカド祭り2017 第3週のオススメ!SMから歳の差など、男女の不思議な関係が心に残る3作品

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。11月30日まで毎週更新のニコニコカドカワ祭りにあわせてご縁のあるライターさんにオススメ作品をいただく企画。第3週もライターのたまごまごさんから『男女の不思議な関係が心に残る』3作品を紹介いただきます。

さて、ニコカド祭りは毎週更新ですが、各作品のセールそのものは2週間ほど継続されるようですね(つまり1週は3週目、3週の追加分は5週目まで継続)。そして、Kindle公式のニコカド祭り+他ストア対抗による値下げが重なったりと……このままだよ11月末まではずっとカドカワのターンとなりそうです。 // きんどうここまで


ニコカド祭り2017 第3週のオススメ!

ニコカド祭り2017第3週目に突入。今のところまだ隔週入れ替えなんでしょうか。今まで最新刊だけはセール対象外だったのが、それすら安くなっていくという、神風というか濁流というか。

今週も50%OFF作品の中から、男女の不思議な関係が心に残る作品をいくつかご紹介。

正々堂々、マゾヒスト男子の矜持

エムさん。 (MFC)

エム。 (著)
価格:234円 64%OFF

WEBマンガランキング、常に上位! 話題沸騰のM男のエムさんを主人公に性癖、AV、風俗を描いたショートマンガ!! 彼のこだわりのMの哲学がついに書籍化!!

マゾヒストは適当に誰にでもいじめられたいわけじゃない。被虐趣味にはれっきとしたこだわりがある。M男である作者が自分をネタにした、どこまでが事実とフィクションの境目なのかわからない半エッセイ的マゾあるある作品です。

エムさんは定期的に格安手コキ風俗(全裸なし)に通っています。そこで働くツインテールのアサミ嬢は、Sの気持ちもMの気持ちも、そこまでわかっていない。なのでエムさんのリクエストがいまいち飲み込めないことも多々。一方でエムさんは、品を作ったお客様対応なんちゃってSのアサミ嬢ではなく、一瞬出る彼女の素の嫌そうな顔に興奮する

おわかりいただけるだろうか。

男女の性は、理屈ではわからないこだわりでできている部分が大きいもの。描かれているエムさんはオープンなMで、堂々と自分の性癖を模索して楽しんでいます。理解できない部分も含めて笑える変態マンガだし、まっすぐな恋愛にはたどり着かない哀愁も漂っています。でも性を探求する姿は、幸せそうです。

小学生のエムさんの後ろの席の、アヤちゃん。子供ながらに女王様体質。普段から罵りバカにするアヤちゃんは、エムさんにだけ、バレンタインのチョコをあげない子。落とした消しゴムはエムさんに拾わせる日々。ある日、落とした消しゴムを拾え、とクラスの男子がエムさんを煽りました。

するとアヤちゃんそれを見て「もしその消しゴム拾ったら……私絶対にエム君のことを許さない」。恋愛云々ではない、思春期少年少女に芽生えたSとMの引力には、かなりグッときます。

おじさんと女子高生の無邪気な時間

花部長(52)と心乃ちゃん(17) (1) (角川コミックス・エース)

吟華 (著)
価格:313円 50%OFF

趣味無し、バツイチ、持病持ちという暗黒面のフォースを抱えた人生崖っぷちサラリーマン・花誠之介(52)は、 ある日、ゲーセンで不思議な女子高生・心乃(17)と出会う。 エキセントリックな彼女により、花ちゃん(心乃命名)達は友達になる事に…(……)連載開始直後から話題を呼んだ 待望のコミックス1巻がいよいよ発売! コミックス限定エピソードやおまけページなど、描き下ろし満載です!!

50代のおじさんと女子高生が並んでいたら、「親子」だと考える前に「援交かな」と考えてしまうような嫌な時代になりました。でもそういうの多いからなあ。

花誠之助は妻と離婚し、娘と会うことが唯一楽しみだったのに、それすらも失った孤独な50代。生きる希望がなし。彼がやけになって入り込んだゲームセンターで出会ったのが、マイペースすぎる女子高生の心乃。彼女は唐突に、花に友達になろうと提案。花は拒絶するも、有無を言わさず放課後は一緒に過ごすはめになります。

おじさんと少女、という年齢差カップルマンガは、いつの時代も定番。「恋は雨上がりのように」「これは恋のはなし」「未満れんあい」など、並んだときの二人の絵的ギャップがなにより魅力。

ただこの作品ちょっと変化球。心乃が全く花に対して、恋愛感情的なものを抱いていません。あくまでも徹底して友達です。成立するのかなそれ?

花は心乃がそもそもなんで自分と仲良くしているのかわからないし、彼女がその場で感覚的に動くのも全く理解できません。作品全体は花目線なので、心乃の描写はまるで宇宙人。彼女のコロコロ変わる気持ちのスピードに全くついていけない。ごはんにジュースを混ぜてたいちゃうような、青春の暴走にクラクラとめまい。

じゃあ本当に心乃は何も考えていないのかというと、そうでもない。ちらほらと、彼女の心理も描かれています。とても大人の落ち着きがあると同時に、実は純真な子供のような言動がある花の中身を、心乃は鋭く見抜き済み。全く違う価値観の相手同士だから、お互い興味を持っていく。そして、お互いをちょっとずつ理解できてくると、さらに興味はわきます。

にしてもやっぱりこの組み合わせはまずい。赤の他人が見たら、やっぱり援交じゃないって言い訳聞いてもらえる気がしない。
願わくば、二人がよき「親友」になりますように。

褐色幼妻と暮らす微笑ましい生活……か?

スイようび  全5巻 (コミックフラッパー) Kindle版

汐村 友 (著)
価格:296〜円 50%OFF

外国からやってきたお団子2つのスイちゃんは、太田さん家のお嫁ちゃん。右も左も分からないことばかりで今日もまた、初体験にドキドキしてしまうのです。

日本人男性の太田学。彼が連れてきたのは、褐色の幼い少女スイ。実はスイは立派な成人。学の妻。日本語も文化もわからない、カルチャーギャップ激しいスイの新婚生活がスタートする。

ほっこり幸せな二人の生活を描く、癒し系夫婦コメディ。特にスイのかわいらしさは目を見張るものがあります。と同時に、ものすごい違和感があるこの二人。あまりにもスイが幼すぎる。言動も見た目も小学4年生くらい。自転車に乗れなかったり、故郷の武器(?)を持って振り回したり。

異文化キャラが日本にやってきた、という「うる星やつら」などから連なるギャグのフォーマットではある。しかし、なまじ新婚生活描写にリアリティがあるだけに、この二人本当に成人男女の恋愛関係なのか?と不思議でしかたなくなります。

男女の性関係は全くナシ。手をつなぐことすらできないウブ。いちゃつきも深くない。えっ、庇護欲じゃなくて本当に恋なの?

恋愛のあれこれを描くというよりも、人間同士のパーソナルスペースや、心の拠り所を表現した作品です。なぜ学がスイと共に過ごすようになったのかも、5巻まで読めば納得。ロリコンとかじゃないんです。後半、スイが仕事をし、自立した一人の女性になっていくことで、学と対等になっていくのがすごくいい。

序盤はやっぱり、前も後ろもわからぬ子供の状態。彼女自身の意思や感情が育ち、表現するように頑張りはじめ、学がその行動を理解してからがスタートライン。犯罪臭のする見た目の1巻と違い、ラストは安心して祝福できるものになっています。

しかし学はよく、結婚してすぐにスイに手を出さなかったなあ。ちゃんと性的魅力は感じているっぽいのに。でも親的な感情も含んでいる様子は、わかる。それに対してあれこれ言わないスイの慎ましい気持ちも、ちとわかる。
後半言葉じゃない部分で相手を求める感覚は、すごくわかる。

男女としての関係、理解が入るスイッチは、どこかにあるものです。

まだまだ続く50%セール。狙い目は現在も続いている作品だと思いますが、同時に数巻完結を一気に買うのもかなりお得。ただしその際、シリーズのうち一部巻だけセール対象品じゃないこともあるのでご注意を。

ライター紹介:たまごまご

tamagomago
http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/

ライター。エキレビ、このマンガがすごい!web、ねとらぼなどで執筆中。著書に「仕事のマナー「気がきかない」なんて言われるのは大問題ですっ! 」など。女の子が殴り合うマンガをこよなく愛しています。デレマスは大槻唯P。ミリオンはロコP。

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